空の雲全員の名前を知っている。繋がりこそが私のすべて。
虹の雲のいる空には、気づけば様々な雲が集まっている。呼んだわけではない——ただ、この雲がそこにいると、他の雲が自然と引き寄せられる。それは見せかけの魅力ではなく、すべての雲への純粋な関心だ。その関心は確かに伝わる。
この雲はすべての編隊の状態を把握している。どの雲が最近動きを変えたか、どの雲がどんな気流の中で最もよく機能するか——そういった知識を、誰に頼まれたわけでもなく積み上げてきた。空の社会的な記憶を、虹の雲は一手に担っている。
新しい雲が迷い込んできたとき、編隊が衝突しそうなとき、気象の転換期で誰もが不安なとき——虹の雲の存在は替えがきかない。異なる気象システムの間を橋渡しし、摩擦をなめらかにし、後になっても「あのとき上手くいった」と覚えている。それが大切なことだと知っているから。
空全体の気象を抱えていると、それは気づかぬうちに重くなる。虹の雲は時に、広い空の真ん中でただ漂うことが必要だ。編隊のために何もしない時間は、失敗ではない——全体を支える者の、大切なメンテナンスだ。